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2010.06.25 (Fri)

ABEND~Case1:データ例外(の一部)





遠く、近く。
近く、遠く。
不思議な距離感から伝わってくる、少女と青年の声。
耳から聞こえてくるのではなく、体に、脳に、直接伝わってくるって感じがぴったりな感覚。

青年は激昂しているようだった。
対して、少女の声色は淡々と──感情が読めない、というか、単語と単語をつなぎ合わせただけのような抑揚の無い声だった。

「──データサイズは一致。時間軸の結合にも最適である。私には貴方が何故、反対するかが理解出来ない」
「ああ、ああ、お人形さんには解らねぇんだろうな。人間は繊細なんだよ! データとして格納条件が最適でも、【それ】は感情の矛盾を呼ぶデータだ。悲劇的なエラーになるのが予測できねぇのかよ!?」
「──。理解、不能。他に使えるデータを保持していない以上、このデータで上書き処理を開始する」
「……っ!」
だんっ! と何かを叩く大きな音。
その合間に聞こえる規則的な何かを叩く音。

直後、私の意識が落ちた。
突然、落ちた。

何が。
何が、始まったのだろう──



 

027_20100625130455.jpg






眩しい。
目を開けると、カーテンが開いたままの窓から朝日が差し込んでいた。
嫌だわ、昨日、私ったらカーテンを閉めずに眠ってしまったのかしら?

ベッドから体を起こし、立ち上がろうとすると、めまいを覚えた。
……頭が重い。
初夏だというのに、風邪をひいたのかしら?
隣のベッドを見ると、皺一つ無くベッドメイキングされたままだった。

「またマリーったら、寮を抜け出して遊びに行ったのかしら」

自由奔放なルームメイトの事を考え息を吐いて。
ゆっくりと洗面台に向かうと、部屋の外が何やら騒がしい事に気づいた。
また下着泥棒でも出たのだろうか?
この女子寮は防犯体制があまり厳重ではなく、この手の騒ぎは頻繁に起こっていた。
が。
いつもの金切り声や興味本位に騒ぎ立てるような声ではなさそうだ。
少し嗚咽混じりの泣き声も聞こえる。
訝しんで、部屋着に着替え、廊下に出て挨拶をすると、廊下の声主たちの視線が私に集中した。

──何?

私の姿一点に注がれる複数の視線に気圧されそうになり、後ずさると

「ディアナ」

寮長が強張った表情で私の名を呼ぶ。

「ディアナ、あなた昨夜、どこで何をしてた?」

唐突な質問。
周りの少女達も同じ事を聞きたがっていたようで、私に注目をしている。

「昨夜は夕食の後、部屋で課題のデッサンをして、眠ったわ」
「……外には、出てないのね?」
「ええ。今朝もなのだけど、少し頭が重くて早めに寝たわ」
「マリーは一緒だった?」
「いいえ、夕食後から姿を見てないわ」

マリー。
マリア・ホワイト。
私と同室のクラスメイト。

寮生達は、再びざわざわと話し出す。
何を話しているのか、様々な会話が混じって聞き取りにくい。
寮長はそれを察して、「静かに」と、一言注意した。

「ディアナ、落ち着いて聞いて?」
「え、ええ?」

「昨夜、マリーが、亡くなったわ」

マリーが、亡くなったわ。

言葉の意味が飲み込めなかった。
少しずつ、少しずつ、頭で租借して、やっと理解出来そうになった時

「それもね、誰かに殺されたみたいなのよ」

頭が、その言葉を拒否した。

「私っ、朝、花壇の水遣りにいったら、マリーがそこで血だらけで倒れてて…!
胸にナイフが刺さったままで……! こ、怖くて怖くて、あ、あ……」
「落ち着きなさい、大丈夫よ、もうそろそろ警察が来る頃だから」

第1発見者と思われる少女を包み込むように抱き、寮長は騒ぎを鎮めようと皆に自室で待機するよう指示をした。
ひどいめまいと、混乱で、気づけば自室のドアの前でへたりこんでいた私に、寮長は手を差し伸べて

「ディアナ、あなたも部屋に戻って、少し、落ち着いてね」

そう言って、私の部屋のドアを開け、部屋の中に入るよううながした。
部屋の中に入って、ベッドに座り。
目の前のベッドの主の死を、やっと頭が認識したようで。
ふっとこぼれる、笑み。

そう、死んだの、あの子。
死んだのね。
私に対して

「殺してやる!」

と叫んだあの子が、逆に誰かに殺されたのね。

くすくすと笑い始めると、それは止まらなかった。
っと、こんな風に笑ってたら、私が犯人みたいじゃない。
これから警察に事情聴取されるというのに、不謹慎だわ、気を引き締めないと。

洗面台で顔を洗い、少し気を引き締めて。
鏡に映った自分を確認して……違和感。

「なんで、あたしがディアナなの!?」

自然にこぼれた自分の言葉に、ぎょっとする。

何を言ってるの、私?
私はディアナ。
ディアナ・P・コール。
この美術学校の4年生。

「あたし」……?
そんな言葉、私は使わないわ!
何をそんなに、私は混乱してるの?
何をそんなに、私は驚いたの?





と、冒頭だけちろっとお見せしましたが、改めまして、こんにちは
葉佩伽耶です。
現在、暇なときにガリガリ書いているシナリオの、ほんの1部だけ
お茶濁しでご紹介φ(・。・ )
(今日、記事にする事、なかったんだもーん)

プロットの時点で、やたら長い話になるのは覚悟してたけど、実際
書き出すととんでもないったらありゃしない( ´△`)アァー

これは普段のブログや野良PTのノリや口調の私とは真逆の、シリアスで
心の闇がもろ表に出る事件の重なりなお話ですφ(・。・ )
「ABEND」って、ふっる~いプログラマさんなら御馴染みの言葉でして

ABnormal END(異常終了)

の略だったりします。
そして「データ例外」て言葉も、汎用機に関わってた人なら御馴染みの
「0C7」というエラーコード。
エラーコード10個分のシナリオと、分岐するEDのシナリオ。
それぞれ全部書いてくととんでもない量になるけど、なんとか今年中に
まとめきれたらいいな、とか思ってます。

楽しみにしないでお待ちください(逃

んでは、また(^ヮ^)ノ”

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テーマ : 制作日記 - ジャンル : 趣味・実用

13:17  |  創作  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

ほんと

多趣味だなw
ぐり |  2010年06月25日(金) 19:14 | URL 【コメント編集】

ぐり>

うむw
多趣味であって、多才でないのが悲しいけど(*´ェ` )(´ェ`*)ネ…
葉佩伽耶 |  2010年06月26日(土) 22:53 | URL 【コメント編集】

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